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【開発事例】導入いただいたシステムについて、とさ自由学校様にインタビューを実施しました。

2020年7月30日

正木 茂一

今回SHIFT PLUSが開発したシステムを導入いただいた、とさ自由学校の難波 佳希(なんば よしき)様にお話を伺ってきました。

非常に熱い教育理念を持たれている方ですので、そのお人柄が伝わればと思います。
また勤務先である、とさ自由学校についてもお話いただけました。既存の学校とは一線を画す教育を行なっている学校になりますのでぜひ最後までご覧ください。

 

難波 佳希(なんば よしき)様

 

・まずは難波様のご経歴について教えてください
出身は岡山県美作市です。サッカーを5歳から続けていて、四国にある国立の中でサッカーが強い高知大学に入学しました。高知大学を卒業してから日吉学園に入り4年目になります。授業で体育を教えている延長でサッカーをしたい子たちに教えながら、現在もサッカーを続けています。

・どういった経緯から日吉学園に入ることになったのでしょうか?
留学や学生活動をするなかで、対話することが重要だと気づいて大学4年生の時に、難波ファシリテーション事務所というワークショップに関するものを個人事業で始めました。卒業後も継続していこうと考えていたのですが、すぐには仕事にはならず、これだけでは厳しいと感じていたのです。

その時に*日吉学園が学校の立ち上げをするため、人を探しているという話を耳にしました。日吉学園は一人一人の個性を大事にするという価値観があり、自分自身のやりたいことが一致していたことや、学校を作る経験はなかなかできるものではないのでやってみたいと思ったこと、そしてご縁が重なり日吉学園に入ることになりました。

現在は難波ファシリテーション事務所と日吉学園の仕事を平行しています。
*日吉学園とは、とさ自由学校を運営している学校法人です。

 

取材中の様子

 

・とさ自由学校とはどのような学校なのでしょうか?
目指している教育像として、子供達が主体的に学べる環境を大切にし体験学習を中心に、個性の尊重と自己決定ができるようにしています

体験学習から興味・関心のステップを踏み、子供達が自ら学んでいけるように、大人がサポートするという形です。つまり教科書の知識を教えるような普通の教育ではなく、自分自身がしたいことを出発点にしながら学びを進めていけるようにし、学び方も書くだけでなく体を動かしながら知識・知恵を身につけられるような教育を行います。

体験から学んだことを振り返って頭の中に落とし込むという経験を繰り返し、世の中にある数字や言葉、社会のことを学んでいきます。

教育活動も大きく4つに分けていて、グループラーニング、基礎学習、アムス、とさ自由会議というものがあります

グループラーニングでは、2学期に山にアスレチックを作るプロジェクトをしていまして、竹の滑り台や大きなハンモックなどを作っています。すべて子供達と一緒に計画して作ってみてうまくいかなかった部分は振り返りを行い、どこが悪かったのか一緒に考え次は失敗しない方法を考えさせます。

3学期には野外スキルを身に着けるサバイバルマスタープロジェクとシアタープロジェクトというものがあります。僕はサバイバルマスタープロジェクトを担当しています。

19項目ほどの野外スキルの講座があって、15個以上のスキル講座に合格するとみんなでキャンプにいけるというものです。内容としては火起こしや燻製作り、ナイフや道具を使いこなす、ロープワークなど幅広いワークを体験させています。

基礎学習とは本来は読み書きを行い、最低限の学力を保証する時間ですが、まず体験から入る学習方法にしています。

・体験から入る学習方法とはどのようなものなのでしょうか?
図工室で好きな遊び道具を作らせているのですが、そこで材料を注文するところからします。例えば遊び道具を作るときに木が1本300円かかるとして、それが3本必要だから300円×3本で900円必要なので注文書には900円と記入して提出させるといった感じです。

なぜこのようなことをやるかと言いますと、子供達のモチベーションを高め熱中できる環境を作ることを大切にしようとしているからです。

自分が作りたいもののためならみんな頑張りますよね?従来の学校教育の形にとらわれず、その気持ちを教育に落とし込んでいるのです。そもそも楽しくないと子供たちも勉強したがらないじゃないですか。
ただ、子供達が楽しめられないと負けた気持ちになりますけど(笑)

アムスでは音楽や体育などを行います。その際にも音楽であれば合唱か楽器、体育であればサッカーかトランポリンから選択させています。今後はもっと選択できる幅を広げていけるようにしていきたいと思っています。

とさ自由会議では学校のルールを子供達で話あってルールを作るということをやっていて、子供達同士でお互いの楽しいことを実現するためにはどうすればいいか話し合いを行います。
面白いルールとしてトカゲは5匹以上、捕まえてはダメというものがあります。捕まえたあと管理できないことがあったので、全員で話合った結果5匹にしようとなりました。

 

教室の様子

 

・どのような子供達が多いのでしょうか?
活発な子が多いですが、もちろん内向的な子もいますし、延々と外で遊んでいる子や感受性豊かな子もいたりして様々ですね。また、とさ自由学校では学年で区切る活動はしていなくて上級生、下級生とも年齢関係なく仲良くしています。

学習活動自体は選択性ということもあり、各々が全然違うことをしています。
一例として活動に参加するかどうかも子供達に決めさせています。一応参加してない子に声をかけて、その子がやらないと言ったらその時間どのように過ごしたいのかを聞き、関わるようにして、子ども自身の決定や意志を尊重しています

あと、3分の1は県外からの移住ですね。エリアも幅広く東京、神奈川、岐阜、埼玉などいろいろなところから来ています。そのため親御さんが移住者同士で仲良くなるケースもあります。また移住に不安な方が訪問し短期間滞在できる家や、体験入学なども用意しています

 

教室の様子

 

・どのような先生達がいるのでしょうか?
みんな特徴的で自然体験活動を行う団体に所属していた方や元介護士、ハーブ検定を持っている方、海外を1年間回っていた方、イギリスの方などバックボーンが豊富で県外から移住してきた方が中心です。

普通の学校で教師をやっていた方はほぼいないですね。そのため、あまり学校の価値観に縛られていないのです。普通の学校はこうだよねと言った会話がでないところが僕はいいと思っています。

 

教室の様子

 

・業務において楽しい点と大変な点はありますか?
楽しい点は授業準備をしている時間ですね。最近でいうと身近にあるもので重さ比べをしてみようとなり、天秤を作りました。結構難しくて長さを計測したり中心位置にドリルで穴を開けたり試行錯誤しました。とさ自由学校ではカリキュラムは決まっているものではなく、その時々で色々取り入れてやっています。

大変な点はコミュニケーション部分ですね。先生同士で互いの価値観のすり合わせをすることが大事なのでずっと続けていかないといけないと思っています。まだまだ手法が完成されているわけではないので、何が正解かわからないといいますか、自分たちが正しいと思えるように作っていかないといけないのでコミュニケーションは大変だと思います。

あとは、子供達の状況の把握ですね。正確な状況把握ができず困っていたので、その点をシステム導入により解消できないかと考えました。

・子供達の状況の把握ではどのような課題があり、どのようなシステムの導入を考えていたのでしょうか?
とさ自由学校では一年を通じて様々な体験活動を実施していて、運営には複数の先生が様々な役割で参加しています。そのような状況で体験活動そのものの管理と体験活動における子供達を、複数の先生が異なる視点で評価する必要がありました。

実はシステム導入前は放課後に先生達で集まって、今日何があったかということを口頭で報告していました。ただ非常に時間がかかりますし、子供達の実際の状況もしっかり見えてこない、そもそも1日を思い出しながら話すので忘れていることもあるという課題がありました。

どうすればもっと効率的にできるか考えた時に活動風景を写真で撮影し、その写真を体験活動と子供達一人一人に関連付けてコメントを残すことができれば、先生達がイベントを振り返るときに子供達の活動を評価する手助けになるのではないかと考えました。

そこでシステムの導入を考えたのですが、大手のシステムの場合、すでにフォーマットが出来上がっていて変更ができないため一から作った方がいいと思ったのです。そんなときにSHIFT PLUSをビジコンで紹介され、そこで色々お話させていただく中で一緒にやりましょうとなりました。

 

※以下、とさ自由学校様に導入いただいたシステムの概要となります。システム要件

①複数の先生が同時にシステムを利用できること

②写真が活動プログラムと関連付けされていること

③写真に写っている生徒・園児と関連付けされていること

活用した技術

AWS Rekognition ( https://aws.amazon.com/jp/rekognition/ )

AWS Lambda ( https://aws.amazon.com/jp/lambda/ )

AWS RDS ( https://aws.amazon.com/jp/rds/ )

Google Platform Cloud ( https://console.cloud.google.com/getting-started?hl=ja )

この中で最も特徴的な技術は、AWS Rekognition を使った顔認証処理です。あらかじめ登録しておいた生徒の顔写真と、体験活動時に登録された写真に写っている生徒の顔を照合し、写真にどの生徒の写真なのかを付加情報(タグ)を付与する機能が実装されている点です。

このタグを利用することで、イベント情報に参加した生徒の名前を自動的に追加することが可能となりました。また生徒毎に、個別のアルバムが自動的に作成することもできるようになりました。この機能により、活動記録写真の選別管理という膨大な作業を省力化することを実現しました。

 

・システムを導入したご感想をお聞かせください
先生たちも活用には協力的で通知表作成時にデータがあって作成が楽になったと言われました。普通の通知表は数字ですが、僕らの通知表は全て記述にしているので、データがないと思い出すしか方法がなかったです。

以前は評価のバイアスもかかるしそもそも忘れていることがあるといった問題がありましたが、写真とコメント、活動記録が振り返られるのであのときあんなことした、こんなことしたという記録をもとに通知表が作れました

また逆にあまり子供達の中でもしっかりコメントを書けていない子がいたという気づきもありました。コメントが少ないと何をしていたのか分からなかったことがあり、もっとよく見ておかないといけないなと感じましたね。

・お取り組みをする中でSHIFT PLUSの印象はいかがでしたか?
コミュニケーションが取りやすく仕事しやすかったです。僕自身エンジニアと仕事をすることが初めてだったので、色々と勉強させてもらいました。

理想を掲げながらやりましたけど、現実的に落とし込む必要があると思っていたのですが、僕たちの意見もだいぶ取り入れてくれて非常に助かりました。システムについては一緒につくりあげたという感覚ですね。

 

開発担当の西川(画面中央)

 

・今後の難波様の目標をお聞かせください
僕個人としては一人一人がやりがいをもって働ける職場にしていければいいなと思っています。あとは無理や無駄がない業務フローを構築していきたいですね。

学校って校長、教頭、先生たちという縦割の組織ですが、僕としては役割としか思ってないのでそういうところも変えていければいいなと思っています。

校長が現場に入るのもいいですし、教頭が苦手な業務があったときにその業務を得意な先生がいればそこをやってもいいし、そういう一人一人が持っている強みを活かしあえればいいかなと思います

 

今後の目標について

 

・インタビューを通して感じたこと
難波様は子供達の自主性を大切にし、今までにないような価値観を持って教育を行なっている印象を受けました。

自分の頭で考え意思決定をさせるという通常の学校教育とは全く異なるアプローチ方法は、当たり前と思っていた学校教育というものをもう一度考え直すいい機会になりました。僕自身、教育方針や理念などを伺ったことで子供ができたらこの学校に入れたいと思いました。

難波様、改めてインタビューにご協力いただきありがとうございました。

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