〜地方創生事業本部の取り組み③〜高知県の課題をワクワクするような取り組みに変える「新規事業」を創り続けたい!
2020年7月15日

地方創生事業の取り組みについてご紹介する全3回の配信、今回が最終回となります!
SHIFT PLUSの地方創生事業本部 Life Shift Design部で部長を務める鈴木 康太さんに地方創生事業についてお話を伺いました。
鈴木さんプロフィール
鈴木さんは静岡県出身で、大学から東京へ上京して人材系・エンタメ系のIT企業などで新規事業の立ち上げを経験。
東京で10年以上働いて、だんだんと東京ではないローカルでの生き方や働き方に興味が湧き、2018年に高知県に移住。
当時はSHIFT PLUSが新規事業を立ち上げるということで、人材ビジネスという自分がやってきたキャリアでローカルでしかできないことをやってみたいと思い、移住と同時にSHIFT PLUSへ入社されました。
高知ではアウトドア好きが高じて自身でアウトドアサークルを立ち上げ、山登りやキャンプをしたり、ラフティングやスキューバダイビングと高知の自然を満喫されています。
最近では自宅の庭を改装し、焚き火場を作って毎週焚き火をすることにハマっている、アウトドアが趣味のIターン人材です。
地方創生事業本部の取り組みとは?
ーー 地方創生事業本部ってどんなことをしているんですか?
高知県の「課題」を「IT」の力で面白くする事業を創っています。
そのためにまずは、高知県の「はたらく」を面白くするための求人メディア「BUNTAN」や「高知家ITコンテンツネットワーク事業」を運営しています。
高知に住んでいる方たちが良くしていきたいと思うようなことを改善していきたいですし、高知から全国へ自慢できるようなこと、もの、プロジェクトといったものを作っていけたらと思っています。
それによって自分たちの生き方やライフスタイルがすごくワクワクするようなことや人が増えてくるといったことができたらと考えています。
ーー 例えば「良くしていきたいと思うようなこと」というのはどういう部分ですか?
新しい物事を始めようとした時に情報がなくて、選択肢がすごく狭くなってしまったり、やりたいことが実現できていないといったことがあるなと思っています。
ちょっと改善したら実はこんなに簡単にできるのに、そのことを知れる場がなかったり知らなかったりするので、すごく勿体無いなと思うことがあったりして。
それが働くことだったり、埋もれてしまっている魅力や強みをまずはWEBを通して伝えていくことで改善できると思っています。
自社サービス「BUNTAN」では、1社1社企業さんを直接訪問してインタビューをさせていただき、写真とテキストを中心に企業さんの魅力を表現するようにしました。
そしてそれらの記事をWEB上で検索できるようにまとめています。
今後は、動画なども積極的に活用して魅力をもっと伝えられたらいいなと思っています。
ーー どうしてSHIFT PLUSで地方創生に取り組んでいるんですか?
高知出身の方は、地元高知をなんとか元気にしたい!盛り上げたい!と思っている方が本当に多いんです。
そのような強い想いを持っている方と、SHIFT PLUSのミッションである「地方にワクワクする仕事を増やし 社会をより豊かに」という高知の課題に向き合って高知でワクワクするような仕事を作り出したいと思っています。
最近は高知でBUNTANやITコンテンツネットワーク事業の運営を通して、転職に関わる方、学生さん、県外のU・Iターンに関わる方と面談する機会が多いです。
その中で「どんな仕事がしたいですか?」「次の仕事を決める上で何を大切にしたいですか?」といった質問に対して、「高知が好きだから高知を盛り上げたい」「高知が元気になってくれるようなことがやりたい」という方たちの割合がすごく多いなと感じるんです。
なので高知を面白くする、盛り上げるといったアイディアや事業を自ら創り出せるような方たちが高知にもっと増えると面白いものが立ち上がるんだろうなと思います。
そういう方たちやプロジェクトを増やせるようにしたいと考えています。
高知県に移住して感じることは?
ーー 移住時から現在にかけて鈴木さんが感じる高知の変化はありますか?
高知のIT業界がさらに盛り上がってきていると感じます。
この2年間で新しいIT企業も高知に次々に出き、事業拡大も進んでいます。
また、高知版Society5.0(※下記参照)で様々な新しい取り組みも始まっているので、高知県がITの促進に力を入れていて、IT企業も増えてきているし、企業同士が繋がっていくような仕掛けも高知県が積極的にやっています。
さらにIT人材を育成するという機会もすごく増えているので、県庁が主体となって高知のITを盛り上げているというのはすごく感じます。
※高知版Society5.0とは:IoTやAI、ビックデータ等の最先端のデジタル技術を活用し、あらゆる分野の課題解決を図るとともに、開発されたシステムの地産外商や企業集積による雇用創出等の産業振興を目指すもの
ーー 鈴木さんが感じる高知の魅力はなんですか?
大自然があるとか、お酒、お魚が美味しいとかの魅力はもちろんありますが、僕が感じている高知の魅力はチャレンジする県民性があることでしょうかね。
民間の方や行政の方も関係なく、みんなで積極的にチャレンジする姿勢、みんなで協力して取り組んでいく空気が高知の魅力だと思います。
また、外部の方に対しての壁みたいなものはほとんどないので、例えば中の方と外の方が一緒にプロジェクトに取り組むなど、そういったことがすごくしやすい環境だなと感じます。
新しい物事、文化、チャレンジを応援したりみんなで盛り上げようという文化がすごく根付いている県です。
これまでの地方創生事業本部の活動を振り返って
ーー BUNTAN、ITコンテンツネットワーク事業の立ち上げ、運営を経てそれぞれ実現できたことはどんなことですか?
高知のIT業界の情報を少しはオープンにすることが出来たと思っています。
「高知のIT企業ってどこがあるの?」といったときにIT企業の情報をまとめて知ることができるサイトがなかったので、情報をオープンにするための一次データは地道に集めていくしかありませんでした。
現在BUNTANで約40社、ITコンテンツネットワーク事業で約50社の企業が掲載されていますが、「こういう企業があるらしい」「どこどこの企業が今度来るらしい」「HPで見た」などそういう情報を結果的に1社1社辿ってまとめた積み重ねが今の形になっています。
高知のIT業界や企業のことを検索したらBUNTAN、ITコンテンツネットワークのHPで会社情報が出てきたり、個別相談することでより深い情報を提供することができるようになりました。
これからの地方創生事業本部の取り組みは?
ーー 地方創生事業本部で今進めているプロジェクトや企画など教えてください。
2020年にコロナ禍により、コミュニケーションの取り方が大きく変化しています。
そこで、地方創生事業本部では新たに幅広い業界に対してオンラインによる商談やイベントをサポートするような事業を考えています。
従来は当たり前のようにリアルだけだったので、その土地にいる方たちだけとしか繋がれないといったところがありました。
それをオンラインにすることで時間や場所の弊害といったハードルがすごく下がるので、全国の方たちと繋がりやすくなったというところは魅力かなと思っています。
さらにオンラインとコミュニティは切っても切れないものだと思っているので、オンラインになることと同時に、オンラインというものを通じた上で参加者同士がどう有機的に繋がっていけるかという「コミュニティ作り」の取り組みもこれからの大きなテーマだなと思っています。
ーー 「コミュニティ作り」の取り組みが大きなテーマというのはなぜですか?
地域で暮らす魅力に「自然が豊富」「食べ物が美味しい」ということはありますが、それと同じくらい「どんな人が集まっているか」が重要だと思っているからです。
そこの地域で暮らすことで、同じような価値観や目的意識を持っている人が集まって、ワクワクするような取り組みをすることってすごく大切なことじゃないかと思います。
地域では、自分ひとりではできないことが多くても周りの人を巻き込んでいくことで、大きなチャレンジや面白いことができるんです。
一方で、コミュニティを運営するのはすごく難しく、バランスが取れていないという現状もあるように思います。
例えば、コミュニティの場合基本的には興味があるというだけで人が集まっているので、本人たちの意識の持ちように活動量や面白さも左右されてしまいます。
また、コミュニティの責任者にすごく負荷がかかってしまうということが多く、責任者が動けなくなった瞬間にコミュニティが止まってしまうということも結構あると思います。
どうしたら負担が偏らずカルチャーを作りながら参加者たちがすごくワクワクするようなプロジェクトを生み出せるのか、というのは私たちもまだ手探りな状態です。
その点で今後魅力的なコミュニティが生まれ、継続していくことができるのかは大きなテーマだと思います。
ーー 今後、新たに取り組んでいきたい取り組みは何かありますか?
高知ならではの事業とIT・コミュニティの可能性を探っていきたいと思っています。
例えば、「漁業」「林業」「農業」など一次産業や「加工食品」「木材製品」などの商品などを「IT」や「コミュニティ」を活用してどう面白くできるかに興味があります。
高知県では高齢化が進んでいて、一次産業の従事者が少なくなっていくのが確実となっています。
ただ、高知の核となるサービスや魅力は食べ物、自然、野菜、魚だったりするので、一次産業に紐づいているものが多いんです。
従事者がこれからどんどん減っていく中で、どうやって高知の魅力を維持したり、新たに関わりを持つ方たちを増やしていくのか、というのが大きな課題だと思っています。
そこに対して面白く取り組みたいという方を増やす仕掛けを作っていきたいです。
ーー 今後の高知をどのようにしていきたいか夢や目標はありますか?
高知発の面白いプロジェクトをみんなと創って高知を盛り上げていきたいですね。
高知の課題と言われているような部分を「魅力」に変えるような取り組みを、みんなで遊ぶような感覚で盛り上げて、全国に発信していきたいと考えています。
そのような取り組みが、結果的に全国から関わりたい方が増えてくる、高知で暮らしたいという移住者が増えてくるということにつながるんじゃないですかね。
高知県を盛り上げたいと熱い想いをもっている方と、新しいプロジェクトに次々挑戦して高知から全国へ広がるようなチャレンジをしていきたいです。
まとめ
コロナ禍でも新たな発見として「オンライン」での可能性が見出せたのではないかと思います。
鈴木さんがおっしゃったように「リアル」な繋がりが当たり前だった時代から「オンライン」での繋がりがこれからどんどん広がっていくのではないでしょうか。
実際に私自身(広報:和田)もオンラインセミナーを受講していますが、東京の企業が主催しているセミナーに地方にいながら参加できたり、移動時間や移動の手間がなくなったりとメリットを大きく感じています。
今後さらに場所と時間を関係なく発信できる環境が整っていけば、地方の魅力をさらに全国の人々へ伝えていける、そして興味を持って地方に来てもらい、その地域からさらに全国を盛り上げていくことができるのではないかと思います。
インタビューを終えて今後の高知県の可能性や地方創生事業本部の取り組みがますます楽しみになりました!
私自身もまだ知られていない高知の魅力をもっと全国に知ってもらえるようこれからも発信を続けていきたいと思います!